もしも選手の自己申告を審判が聞き入れたら

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リベロの河童
 ( 河童戦術ブログの管理人 )

町田ゼルビア対名古屋グランパスで『人違いにより別の選手を退場させる』という判定があり、そのことについていろいろな議論がネット上で交わされているのですが、そのなかで「キャプテンが自己申告をしていた」「自己申告しなかった」という話があったことについて。

Goalさんの記事にもあるんですけど「家本主審は平戸の否定を受けて副審に確認し、深津も自分がプレーに関与していたことをその場で説明したが、それでも判定は覆らず。」と、まるで自己申告をすれば判定に影響させることができるかのように書いてるのが気になりました。それでも判定は覆らずって当たり前というか逆に自己申告で判定を変えたらどうなるのか。

町田ゼルビア対名古屋グランパスで人違いにより別の選手を退場させる騒動が発生 | 河童戦術

J史上二度目の“人違い退場”。本人が認めても審判団は認めず…… | Goal.com

 

実はJFAには選手が自己申告をすることについてプレーヤーのポジティブな態度を奨励するために『グリーンカード』という制度があります。これは小学生年代以下の試合で活用するよう奨励されているのですが、そのなかにグリーンカードを提示する例として『自己申告(ボールが境界線を出たとき:スローイン、CK、GK、ゴール) 』というのがあります。ただし、このなかに『ファウルの判定について』というのはありません。あくまでもファウルなどの判定については審判団のジャッジによって裁かれるんですよね。主審がイエローカードを提示したのに相手選手が「いや今のは得点機会の阻止で退場が妥当ですのでレッドカードを提示するべき」と言って主審が「お、そうだよな。じゃあ君は退場ね」なんてことになったら大変でしょう。

つまり『町田の選手が自己申告したのに判定を変えなかった!』と煽るのはまったく意味がわからないというか、それで判定が変わってしまったら大変ですよね。もしもチームで一番重要な選手が決定的な得点機会でファウルをしてしまい今回と同じような状態になったら、味方の選手が「実はぼくがやったんです」「いや本当はぼくがやりました」「いやいや自分がやってしまいました」などと言い出すようになるでしょうし、相手チームの選手はファウルをした選手とは別な重要選手を指名するかもしれません。そんなことになったらそれこそ収拾がつかなくなりそうです。つまり自己申告したのに判定が覆らなかったというのは、感情に訴えた暴論であって審判団の裁量に選手の意見を反映させろと言っているのです。逆にそれは絶対やっては駄目だろという。

今回のようなケースですが世界ではごく稀に発生しています。自分が見たのはたぶんこれで3回目で、プレミアリーグでもありましたしJリーグでも過去にあったようです。そしてこのような誤審を無くすにはビデオ判定を導入するというのもひとつの手段かもしれません。試合を一旦止めてビデオで判定をするというものですね。ただしそれをトップリーグでもない2部リーグで使えというのは少し乱暴ですし、そのための経費などの問題もあります。ああいうのを導入するにはかなりのお金と労力がかかるんですよね。それを負担させるというのは少し考えないと。

最後に。今回の判定で主審の人格まで攻撃されてるご意見もあるのですが、基本的に手順は間違っていなかったと思います。不明な部分について副審とやり取りをするなど出来る限りのことはしたけど結果として別の選手を退場させてしまった。たしかに審判団の誤審ですし改善してほしいところではありますが、ただそれだけです。それ以上の攻撃は必要ないのでは。

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