ベガルタ仙台分析:ボール保持率は今季J1で4位。ここ5試合の平均ボール支配率は58%

リベロの河童
投稿者: ( 管理人 )
公開日:2017年06月26日( 1か月前に投稿 )

そうなのかどうかは置いといて、ベガルタ仙台は今季、ポジショナルプレーに取り組んでいるような気がします。それほど良い順位でもなく、サッカーファンからも特に注目されているわけでもないのですが、永戸くんがいるからという理由で自分は最近仙台の試合をよく見ていました。そうしたところ、ベガルタのサッカーがとてもわかりやすいことに気づきます。何がしたいのかはっきりしているというか、明確に「こういうサッカーがしたい」という狙いが伝わってきました。

で、ツイッターで「ベガルタ仙台ってペップ時代のバイエルンに似てるよね」と書いたところ、誰にも賛成してもらえませんでした。すごく悲しかったのでそのままふて寝しようかと考えたのですが、やっぱりブログでその辺のことを書こうと思います。もしかすると仙台の監督が「いやうちは全然そんなことしないよ」って言うかもしれませんが、まあ自分にはこう見えたというお話です。全部をひとつにまとめるというのは不可能だと感じたので、連載でやろうかと。まああまりにも人気がなかったら気がつかないうちに終了してしまうかもしれませんが、気力が続く限りはがんばります。というわけで第1回目は『ボールを握る』という部分について。

 

対横浜Fマリノス   58%
対アルビレックス新潟 61%
対ヴァンフォーレ甲府 60%
対サガン鳥栖     51%
対セレッソ大阪    59%

上の数字はここ5試合でのベガルタ仙台のボール保持率です。ちなみにFootball LABさんのデータによると、2017年J1のボール保持率ランキングで、16節までの数字ですがベガルタ仙台は4位(1位:浦和61.3%、2位:川崎56.7%、3位:広島55.6%、4位:仙台53.4%、5位:鹿島53.2%)につけています。自分が仙台を注目しだしたのはここ4~5試合でして、それ以前の数字を抜いてここ5試合で比較するともっと順位が上がるかもしれません。

このような数字から見ても、今のベガルタ仙台は相当ボールを握れるようになっています。ちなみにボール保持率なんてのは副産物であって、目指す形を追求した結果そうなってたっていうだけの数字です。これ自体には特に意味はありません。手段と目的という言葉がありますけど、ボールポゼッションというのは手段の結果であって、それは目的ではないということですね。

ではここで『ペップグアルディオラ キミにすべてを語ろう』のなかにある『事前の15本のパス』という項目をご紹介させていただきます。

事前の15本のパス

ボールポゼッションはただの手段や道具でしかない。目標でも目的でもない。監督(ペップ)はこのように説明する。「もし事前の連続した15本のパスがなかったら、攻撃から守備へのいい移行を実現するのは不可能だ。最も大事なことはボールを持つことや、多くのパスをすることではない。意図をもってやることだ。パスの本数やポゼッションの数字は重要ではない。大事なことは、ボールを持つ意図、ボールとともに何をするかを追求すること、チームがボールを持っているときに何を目指すか。それが重要なんだ!

整然とした配置につくために、中盤で15本の連続したパスをしながら敵を混乱させることができたなら、ボールを持つことには意味がある。混乱させるには、スピードがあり具体的な意図を持ったパスを使わなければならない。また、ほぼ全員のチームメイト(この中の何人かは、離れて敵を広げるためのポジションにいる)が行う15本のパスの結果として、敵を混乱させることができる。つまり15本パスを回すことによって、チームは整然とした配置につく。同時に、敵はボールを奪おうとしてピッチ中を追い回すことになり、気づかぬうちにすっかり混乱しているんだ。

もしボールを失ったとしても、その時点ではおそらくボールを奪った敵の選手は孤立している。周りを私たちの仲間が囲んでいるので、容易にボールを取り戻すことができるし、少なくとも敵が守備のオーガナイズを整えるのを妨害できる。だから、この15本パスは敵の守備から攻撃への移行を不可能にすることができるんだ。」

ちなみにベガルタ仙台がどのようなトレーニングをしているのかというのはこちらのトレーニングブログというので確認することができます。もちろんすべてを公開しているわけではないと思いますけど、これを見る限りでは、やはりポジショナルプレーを意識したトレーニングをしているのかなと推測できます。プレーモデルとしては風間さんや大木さんに少し似ている部分があるのかもしれませんが、どちらかというと仙台のほうが欧州寄りに感じます。

で、後方からボールを捨てずに前進し、ポジショニングとパスによって相手を混乱させゴールまで繋げるプレーというのを先日のセレッソ大阪戦では何度も見せてくれていましたね。

この得点ですが、自陣から9人がボールを触り14本のパスを繋ぎ15本目でゴールが決まります。ちなみにフィールドプレイヤーで唯一ボールに触れなかった永戸に関しても、サイドで幅を作ることで中の味方を助けることになり、全員が関与したプレーとも言えますね。

この試合は開始時点からセレッソの守備がハマってなくて、いろいろな場所で数的優位を作れていた場面が目立ちました。そこを上手に使いゴールまで持ち込んでいます。まあ1ゴールだけなら偶然ってこともあるでしょうけど、この試合でベガルタはもう一度このようなゴールを決めます。

このゴールも最終ラインから繋ぎ、ポジショニングとパスで相手を動かして綺麗にゴールを決めています。もはや偶然などではなく、これがベガルタ仙台が今季狙っている形なのかもしれません。

去年までのベガルタ仙台は、とにかく残留を第一目標に堅守速攻で手堅いサッカーというイメージでした。しかし、今季の、とくに最近の仙台は少し違うように見えます。ボールを握り、簡単にボールを捨てることなく自陣からしっかりと繋ぎ、ポジショニングとパスによって相手を押し込んでゴールを奪う。そんなサッカーを目指しているのではないでしょうか。

というわけで今回はここまで。もちろん仙台の順位はまだまだ下のほうですし、全然できてない部分もたくさんあります。それでも、どういうことをしたいのかはハッキリしていますし、これからの成長が楽しみなチームでもあります。去年のアルビレックス新潟のように、結果がなかなか出なくて途中でサッカーを変えるようなことにならないよう期待したいですね。そのためにはファンの皆様も、自分が応援しているクラブが今何をしているのかを知るってのも大事なことなのかもしれません。

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