ベガルタ仙台分析:渡邉晋監督のコメントから見えてくるもの

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リベロの河童
 ( 河童戦術ブログの管理人 )

これまで4回のベガルタ仙台分析連載をやってきましたが、読んでいただいた方には少しずつですが、ベガルタ仙台が今季やろうとしている狙いのようなものが見えてきたと思います。だと嬉しいです。

そして今回は、セレッソ大阪戦のあとの記者会見で渡邉監督が話した内容から、注目すべきポイントを抜き出して解説してみます。で、これを読む前にこれまでの連載に目を通していただけるとさらにわかりやすいと思います。

 

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2017 明治安田J1 第16節 セレッソ大阪 | ベガルタ仙台オフィシャルサイト

攻撃の手を緩めればいいんじゃないか、という意見がもしかしたらあるかもしれませんけれども、それをしてしまったら我々のチャレンジというものがゼロに戻ってしまうので、しっかりと今にやれている攻撃というものをしっかりとチャレンジし続けながら、ゲームの流れをしっかりと読む力、あるいはリスクマネジメントの徹底といったところをもう一度研ぎ澄ませて、次のゲームにのぞんでいきたいと思います。

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――今日は出足鋭くパスを受けて次につなぐところまでできていました。しかしそれを勝負どころでものにするところで、一番足りなかった部分は何でしょうか。

ゲームを読む力だと思います。
今、では実際に攻撃のスイッチを入れるタイミングなのか、あるいはそういうポジションバランスなのかということをしっかりとできないで、何となく縦パスを入れてしまえばやはり引っかかってカウンターを受けますし、ここはひとつしのがなければいけないというところで、もちろん守備においてもそうなのですけれども、そこでもうひとつ体を張れればというところも、当然今日は、本当にポイントのところで逃したところもありますし、本当にそういったところが、今日のゲームに関して言えば、ボール保持者に対してミスがあったのかなという感じがあります。

これはボールを握るの事前の15本のパスと、なんでカウンターを受けるのかで説明した部分ですね。こういうコメントを見ても、やはり今季のベガルタ仙台はポジショナルプレーに取り組んでいるのでしょう。事前に意図を持ったパスとポジショニングで相手を動かして、自分たちは整然とした配置に着き、逆に相手はボールを追い掛け回して分断させる。それによってもしボールを失ったとしても即座に奪い返す。

で、セレッソ戦では整然とした配置につく前に不確実なパスをするなどプレーモデルに合致しない個人の判断ミスだったり、ここは絶対抑えないとという場面でボールにプレッシャーをかけれなかったりした場面がいくつかありました。これはまあ戦術に対してそれぞれが理解を深め、やり続けるしかないですね。

■相手が5バック気味にかたちを変えた後に、攻撃面で加えた変化を教えてください。

右サイドをより前進させました。
ゲームの流れの中で、3バックの右の大岩一貴が上がるシーンがここ最近増えていますから、そこをまず前進させること。それを実際にやりながら見て思ったのは、そこから前進していく一貴のポジションの選手がクロスの精度を持ったら、相手にとっては脅威になるのではないかという思いがありました。
ですので、そこに蜂須賀を入れて、蜂須賀を中野のサポートに回らせる、そこで数的優位を作るなり、そこで相手が下がれば蜂須賀からクロスを供給するなりするといったところで、相手の5バックに対してのしかけというものを考えました。
左ももう少しサポートが増えれば(永戸)勝也のクロスも増えたのでしょうけれども、勝也が一対一になるシーンを作れば勝也の力でそこを打開してほしいというものもあったので、そのような狙いがあって、相手の5バックに対して攻撃の手立てを考えました。

これはCBが外側のレーンまで広がり、角度をつけたり相手のプレッシャーを分断させるという部分からさらに踏み込み、その開いたCBが縦に運んで相手のラインを突破するという部分かと思います。そこに相手がおびき寄せられたらウィングバックが空きますし、もしCBがフリーならそこからクロスやパスで攻撃を仕掛けることができます。

そして、左サイドの永戸が1対1になる状況をチームで作り出して勝負する。というのはそこが質的優位な場所であり、中央でポジショニングとパスによって相手を崩し、それから左サイドで勝負する。ピッチ上のどこで優位性を獲得し攻撃できるかという狙いはハッキリしていましたね。

■西村選手のゴールが生まれるなど攻撃に関していいものが見られて、取られても取り返すメンタリティーが身についてきているようですが、手ごたえはいかがですか。

おっしゃるように、まずは攻撃の全体像、そしてそれが今は選手の中でも「こうやってやれば、うまくいくよね」ということがどんどん高まっていると思います。それはもう、選手一人ひとりのポジショニングであったり、ここだというところでのしかけどころであったりというところが整理されているので、やはりそれが合致すれば、前半のナオ(石原)のような、チーム全員で取ったような素晴らしいゴールというものが生まれてくると思っています。
西村のゴールも、サイド一辺倒ではなくて、中央からああやって崩せると示せたのは、我々の成長の証かなと思います。

これまでの数試合では、内側で優位性をつくり相手をおびき寄せ、外側のレーンでウィングバックが1対1で勝負する、という形が出来上がっていましたが、この西村のゴールはそれに関連していて、仙台の両WBがサイドの高い位置で張ることにより、相手を横に広げてその隙間をシャドーが突く。そのような形も見えてきた素晴らしいゴールでしたね。

 

最後に。先日ツイッターで「最近のベガルタ仙台ってペップ時代のバイエルンに似てるよね」と書いたとき、誰にも賛成してもらえませんでした。しかし、ここまで5回の連載を続け、本当に少しかもしれませんが、そう書いた意図というのを理解してくれた方がいらっしゃるかもしれません。ピッチ上に数的、質的、位置的に優位となる場所はどこなのかを探り、統一されたプレーモデルのもとでその優位性を最大限に活かして攻撃を繰り返す。そんなベガルタ仙台の試合は見るたびに面白くなっていますし、これからが楽しみです。もし皆様がベガルタ仙台の試合を見る機会がありましたら、これまでの連載を少しでも思い出していただけたら幸いです。

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