名古屋グランパス分析:『止める、蹴る』について

リベロの河童
投稿者: ( 管理人 )
公開日:2017年07月01日( 4週間前に投稿 )

実は今年の天皇杯3回戦で、自分が応援しているJFLのチームがグランパスと対戦することになりまして、それならばと名古屋グランパス分析を始めることになりました。で、いくつか試合を見てみたのですが、今のグランパスは説明がなかなか難しいクラブですね。ベガルタ仙台のように戦術がわかりやすいわけでもなく、試合の解説という感じでもないので、とりあえず自分が感じた印象などをまとめておきます。

で、今の名古屋グランパスを語るためには、今季から就任している風間八宏監督を知る必要がありまして、まずはその部分から少しずつ理解できるように掘り下げて見ます。というわけで今回は「止める、蹴る」について。

ではまず最初に『グアルディオラ総論』より『スピードと間』という項目でお気に入りの部分を紹介させていただきます。

グアルディオラのイデオロギーの中で重要な位置を占めるのがスピードだ。

「スポーツの鍵はスピードの中にある。スポーツで勝つのは他の者より速い物。力ではない。スピードなのだ」

ホルヘ・バルダーノは著書『無限のプレー』の中でこう説明する。

「サッカーには3種類のスピードがある。移動のスピード(ある時間にある距離を移動するスピード。たとえばウサイン・ボルトのスピード)。メンタルのスピード(さまざまなオプションの中から反射的に最適なものを選ぶことを可能にする。サッカーでは速く考えること、ボールを受ける前に考えることは重要だ)。技術のスピード(精度とも呼べる。3つの中では一番重要である。なぜなら個人と集団に関係するから。ワンタッチでコントロールできるなら私は速い。ワンタッチパスを出せるのならチームを加速させることができる)。これを理解するには数字ではなく見る目が必要だ」

このようにサッカーのスピードというのは3種類に分類されまして、足の速さ、思考の速さ、技術の速さとなります。風間監督がいつも話している「止める、蹴る」というのはこのなかの、特に技術の速さという部分になるかと思います。この辺はまた徐々に掘り下げるとして、ここでもうひとつ記事をご紹介させていただきます。

ボールが完全に静止していなければ、それはミス。風間八宏監督が語る「止める」の定義 : ジュニアサッカーを応援しよう!

プロの選手がボールを止められないわけはない。ただし、「本当に止まっているのか」といえば、実はそうでもない。風間さんと同じ方法で止めるのが合理的だとしても、いままで違う止め方をしていた選手には違和感がある。だから上手くいかない。では、風間監督はなぜわざわざ選手が失敗しそうな止め方をさせるのか。

「認識、実行、成功ですね」

風間監督の指導の核心部分だ。感覚でプレーしていた選手たちに、まず新しい認識を与える。「止める」でいえば、足の一点でボールのオフスイッチを触るのが最も良い止め方であるということを知らせる。そして実行させる。それで成功すると、技術に対する見方が変わる。「止める」は最短時間での「蹴る」につながり、その時間の短縮がプレーのスピードを生む。また、何が止まっている状態かをチームで共有することで、タイミングを共有できるようになる。風間さんはこれを「目を合わせる」と呼んでいる。

<中略>

技術を定義する。止めるが定義されると、他の事柄も定義されていく。サッカーそのものが定義づけられていく。逆にいえば、止めるがあやふやなら全部あやふやになる。何も決まらない、定義のないサッカーになってしまう。

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このように、技術を定義しスピードを獲得する、という意味で「止める」というのはサッカーにおいて最高峰で重要な位置づけになります。プロの選手だろうがまずはここからスタートする、というのはよくわかります。これから少しずついろんなお話を掘り下げていくわけですが、この止めるという部分は絶対です。これができないとすべてが始まらない。

じゃあ「どこに止めるのか」というと、これはひとりひとりが感覚で掴む部分だと思われます。それについて風間監督はこのように話しています。

風間八宏氏が語る/前編…“絶対的”な「止める」「蹴る」を指導するトラウムトレーニングとは | サッカーキング

――指導を受ける側が気をつけなければならない点はありますか?
風間八宏 まずは考え方。どういうことか、というのをちゃんと理解しなければなりません。そしてボールを扱う技術は徹底してこだわってほしいですね。「自分で何でもできる位置にボールを置いてみなさい」と言った場合、何でもできる位置ってたぶん1カ所しかないんですよ。そしてその位置に正確にボールを置くためには、とにかく自分でやって見つけていくしかないんです。

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「止める、蹴る」で、じゃあどこに止めるのかと言いますと、「自分で何でも出来る位置」となります。パスが来て、トラップしてボールを止める。その止めたボールは、パスもできるし抜くドリブルもできるし運ぶドリブルもできる、次の動作でなんでも出来る位置に一発でぴったりと止める。それができるようになって、初めてスピードを獲得できるようになります。

言葉だとわかりづらいからまず見本を見せてみろよ。というわけで、ひとつ動画をご紹介します。この「止める、蹴る」と言う部分を中村憲剛が説明している動画がありました。

いかがでしたでしょうか。これから少しずつ連載として掘り下げていくと思いますが、まずはこの「止める、蹴る」のとくに「止める」ですね。この重要性を確認しました。大事なポイントをまとめると

止めるとはボールが完全に静止すること

止める位置は自分が何でも出来る位置

正確に止めることでスピードを獲得する

止めるとはどういうことか全員が共有する

このようになると思います。名古屋グランパスの今を分析するには、このような「何を見ているのか」を知る必要があると思います。自分もまだ理解できているわけではありませんが、徐々に勉強しながら掘り下げていこうと考えています。

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