J1第17節:ベガルタ仙台対ガンバ大阪の感想

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リベロの河童
投稿者: ( 河童戦術ブログの管理人 )
公開日:2017年07月01日( 5か月前に投稿 )

J1第17節のベガルタ仙台対ガンバ大阪は、仙台が一度追いつくものの終了間際に失点し2-3で敗戦となりました。一応ベガルタ仙台が今季どのように戦っているのかは簡単にですがまとめてるので、是非そちらをご覧になってからこの記事を読んでいただくことをおすすめします。まずはベースを理解していただかないとわからないお話とかがあるかもしれません。

 

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前半開始~15分

この試合の敗因はどこか?と問われたら、一番最初に間違いなくこの時間帯を挙げます。実力で劣っていたとか不運だったとかそういうのではなく、ただただ臆病でした。まず自陣からのFKなどで、それをGKがFWへロングボールを蹴って奪われてまた引いて守備というのを何度も繰り返していた時間帯があり、本当に勿体無かったように思います。ベガルタがやろうとしているサッカーなら、繋ぐべきだと思います。前半の序盤は特にボールを簡単に捨てすぎていました。

これに関しては渡邉監督も試合後のコメントで言及をしていましたね。

「まずは、立ち上がりですよね。慎重にゲームに入ろうと言ったところが、少し意識させすぎてしまった部分も僕の中で反省としてあるし、あまりにも怖気づいたかなというところで失点してしまったので、そこはひとつポイントになったかなと思います」

 

失点場面について

この失点パターン。見たことあると思ったら前節でも同じようなミスで失点をしていましたね。ほんとこの部分を早急に改善しなくてはいけない一番のポイントだと思われます。

対ガンバ大阪 0-1

これは簡単にいうと「攻め急ぎ」ですね。事前の15本パスで説明したように、まだ味方の配置が整っていないうえに、相手の配置を崩せていないこの段階でロングボールで仕掛けたことによりカウンターを受けてしまいます。これはセレッソ戦でもありましたし、その前からの課題です。ボールを握って戦うのであれば、仕掛けるのは適切なタイミングで仕掛けるべきです。

適切なタイミングとは、事前にポジショニングとパスで相手を動かし分断させ、カウンターを発動できない状態にし、パスを繋いだことで味方はカウンターに備えた配置につき、セカンドボールを拾える状態になっているときです。仕掛けるタイミングが早ければカウンターを受けますし、遅ければ敵の配置は整備されてしまいます。この仕掛けるべき適切なタイミングというのをもう一度チームで共有しなければなりません。

事前の15本のパス

ボールポゼッションはただの手段や道具でしかない。目標でも目的でもない。監督(ペップ)はこのように説明する。「もし事前の連続した15本のパスがなかったら、攻撃から守備へのいい移行を実現するのは不可能だ。最も大事なことはボールを持つことや、多くのパスをすることではない。意図をもってやることだ。パスの本数やポゼッションの数字は重要ではない。大事なことは、ボールを持つ意図、ボールとともに何をするかを追求すること、チームがボールを持っているときに何を目指すか。それが重要なんだ!

整然とした配置につくために、中盤で15本の連続したパスをしながら敵を混乱させることができたなら、ボールを持つことには意味がある。混乱させるには、スピードがあり具体的な意図を持ったパスを使わなければならない。また、ほぼ全員のチームメイト(この中の何人かは、離れて敵を広げるためのポジションにいる)が行う15本のパスの結果として、敵を混乱させることができる。つまり15本パスを回すことによって、チームは整然とした配置につく。同時に、敵はボールを奪おうとしてピッチ中を追い回すことになり、気づかぬうちにすっかり混乱しているんだ。

もしボールを失ったとしても、その時点ではおそらくボールを奪った敵の選手は孤立している。周りを私たちの仲間が囲んでいるので、容易にボールを取り戻すことができるし、少なくとも敵が守備のオーガナイズを整えるのを妨害できる。だから、この15本パスは敵の守備から攻撃への移行を不可能にすることができるんだ。」

 

対ガンバ大阪 0-2

この失点もやはり前節と一緒ですね。ゆっくり全員で前進してセンターラインへ到達しようとしているときに、後方からいきなり前線へ蹴っ飛ばしてカウンターを受けてます。ではセレッソ戦での柿谷のゴールを比べてみます。

前回の記事でも書いたのですが、このロングボールは本当におすすめしません。解説の平瀬さんが「ロングボールを蹴るべき」ということをお話されてすぐこのようにロングボールを蹴ったらカウンター受けて失点しました。スペースもない場所へ不確実にロングボールを蹴ってもこうなるだけですし、これは今の仙台のプレーモデルではないように感じます。意味がわからん。

ペップが選手たちに望んだのは「臆病にならず自分自身であれ」ということ。ペップの説明は続く。

「選手たちに言ったんだ。みんなで一緒に前進してくれ。もしチームが分断された状態でボールを失ったら、どのドイツのチームであろうと、息もつけないほどの速さでカウンターを仕掛けてくる。ダンテが斜めに長いパスをロッベンに出すのは、自陣からではなくピッチのセンターに着いてからにしてくれ。もしロッベンがボールを失ったとしても、近くにチームメイトがいたら、問題なくボールを取り返せる。しかし、ダンテがあまりに早く自陣からパスを出したら、ロッベンがボールを失ったとき、確実にカウンターを仕掛けられてしまう」

 

対ガンバ大阪 2-3

これは絶対的なお話ではないんですけど、直接FKをゾーンで守るというのは少しリスクがあるような気もします。完全にマンツーマンでもいいのですが、ゾーンを取り入れながらも要注意選手だけにはマークをつけるとか。まあこれはチームで今後修正していける部分だと思います。

 

ゴール場面について

間違いなく今のベガルタ仙台は攻撃に関して相当レベルは上がっています。たまに出る、プレーモデルにそぐわない攻撃をしてしまう選手が何人かいるわけですが、基本的には攻撃は相当脅威になっています。ではここでガンバ大阪から奪った1点目と前節のゴールを並べてみます。

対ガンバ大阪

対セレッソ大阪

このように適切なタイミングでチームとして共有されたイメージで攻撃すれば今のJリーグならどこからでも点が取れると思います。あとは適切なタイミングで仕掛けをできるか。これに尽きると思います。まだ準備できていない段階で仕掛けてカウンターという判断ミスさえ減らせば、相当失点は減るでしょう。

 

最後にひとこと

見ればわかると思うんですけど、仙台はボールを保持するからとかショートパスを奪われるから失点が多いわけではないんですよ。結局ロングボールを蹴っ飛ばしてカウンター受けてることが本当に多いんです。今季やろうとしてることを貫けてないときこそピンチになっています。

またこの試合はベガルタ仙台の3バックに対してガンバの前線が3枚で数的同数プレッシングを仕掛けてきたことで、奪われる恐怖から臆病になってしまいボールを捨ててしまう時間帯がありました。あそこで勇気を持って戦えるか。これが今後のベガルタ仙台を決めるかもしれません。

3枚に対して3枚できたら、GKも参加させて数的優位をつくる。また、ボランチのひとりが最終ラインへ加わり4対3の状況にする。そして丁寧にスペースを使いながらボールを循環させて逆サイドへ持って行き相手のプレッシングを剥がす。これは絶対にやるべきです。

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