ベガルタ仙台分析:ウィングバックはサイドに張ってろ

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リベロの河童
投稿者: ( 戦術担当 )
公開日:2017年08月01日( 3か月前に投稿 )

すみませんタイトルは少し語弊がありました。もちろんこれ以外にも役目はあったりするのですが、わかりやすいと思ったので許してください。で、このベガルタ仙台分析連載も結構な数になりまして読んでる方も疲れてきたんじゃないかと思ってはいるのですが、実はまだ言いたいことの半分も到達していない気がします。いつものように飽きたらフェードアウトしようと思っているのですが、なかなか今回は続いてますね。

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前回は攻撃時のCBの動きについて、その前はシャドーの動きについてやりました。というわけで今回はウィングバックの動きについてです。実はベガルタ仙台を見るようになったのはウィングバックに永戸勝也がいたからなんですが、その彼が今季絶望の怪我をしてしまいまして、現状は少しウィングバックが手薄なポジションとなっています。

もちろん今いる選手も悪くないんですけどね。ただし、やっぱりあのクロスの精度や質ってのは永戸がダントツだったなあと。まあそのかわり今チャンスをもらっているそれぞれの選手が自分の持ち味を発揮してくれればしっかりと戦えると思いますし頑張って欲しいです。

ベガルタ仙台は守備時が5-4-1という形になり、ウィングバックは最終ラインの5の両脇に配置されます。そして攻撃時は3-2-5という形になり、ウィングバックは最前線の5の両脇に配置されます。守備時は最後尾で攻撃時は最前線というわけで、結構大変です。

もしこの布陣で縦にポンポン蹴っ飛ばすサッカーをやってしまうと、一番大変になるのがウィングバックだと思われます。よって、後ろからゆっくりみんなで前進してくれないと、このポジションを取ることができませんね。

まあウィングバックのためにゆっくり前進しているわけではなく、あれは間延びしないようにコンパクトな状態を保っていつでも数的優位の状況を作りながら前進しようとするとゆっくりになるってことなんですけど、それによってウィングバックはこのポジションを取ることができるようになります。

まずウィングバック(WB)の動きでとにかく一番伝えたいことは「サイドに張る意味」です。ボールと同じサイドの選手だけでなく、基本的に逆サイドのWBもタッチラインぎりぎりまで開きます。これにはいくつか意味があるんですけど、大きなものとして「味方を助ける」というものがあります。

極端な例ですがWBが開いてポジションを取ったときと中に寄ってきたときでの比較画像を作ってみました。この2つの大きな違いは、味方が使えるスペースの大きさと、相手同士の選手の距離間です。

WBが両側いっぱいに開いた場合、守備側が4バックだと基本的に「マークが届かない」のです。ピッチの横幅というのは68mくらいあるんですけど4人でその幅をカバーするのって無理なんですよね。5人ならなんとか。6人だったら余裕。という感じ。

そのためWBが両サイドに開いて幅を作ることで、その内側にいる選手が使えるスペースが広がるというメリットがありますね。これが外に張り続けることで中の味方を助けるプレイということになります。

この動画のように直接的なものもありますけど、そうではなく常に相手にポジショニングを意識させることで間接的に影響を及ぼすというケースももちろんあります。例え10分間一度もボールに触れずひたすらサイドにぽつんと立ってるだけに見えても、それには理由があり、そして常にそこにいることで味方の助けになっているということ。

また外に張ることのメリットとして、CBからのパスコース確保というのもあります。上の布陣図では、相手のSHがパスコースを消そうとしてもWBへのコースとシャドーへのコースに角度があるので両方を潰すのは難しいんですよね。しかし、下の布陣図のように内側に入ってくるとパスコースの角度が無くなり、相手が簡単にパスカットできるようになります。

そしてもうひとつ、相手SBとの距離間というところも大事です。外に開くことでWB+シャドー対相手のSBという構図のところで、相手と味方との距離を長く確保できますね。これならパスを受けても相手のプレッシャーがくるまでに時間が取れます。しかし、下の画像のようにWBが中央へ寄るとSBと味方のWB+シャドーの距離が短くなるので、パスを出してもすぐに寄せられます。

このように、WBがタッチラインぎりぎりのところへポジションを取り続けるというのにはしっかりとした理由があります。この両サイドの2人が幅を作ることで、シャドーへのパスコースが生まれたり使えるスペースが増えたり、そこにポジションを取ることで味方の助けになったりしています。もちろん相手がシャドーに釣られたら外側のWBが空くので、そこからクロスなどの仕掛けをすることもできます。

とある日本代表の本○△さんなんかがサッカーファンから叩かれているのはまさにこれが原因だと思われます。幅を作って欲しいのに好き勝手に中へ入ってきて味方が使えるスペースが小さくなったり消えてしまっている。さらに本来いるべきはずのところにいないので、奪われた直後のカウンターに蓋ができずそこを使われて自陣へ簡単に運ばれるなど…

まあベガルタ仙台の選手はこのポジションに関しては狙いをしっかり理解したうえで正しいポジショニングがわりとできていると思います。課題はやはりクロスの精度や質だったり上げるタイミングだったりという部分でしょうか。しかし、このWBはそれだけではないというところにも注目していただけるとありがたいです。

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