野球がサッカーに競技人口を取られているというのは本当なのか

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リベロの河童
投稿者: ( 河童戦術ブログの管理人 )
公開日:2017年11月05日( 1か月前に投稿 )

最近は日本の野球メディアでも「サッカーに子供が流れている」「サッカーのせいで野球人口が減っている」などといったサッカー競技を敵視した記事を結構見かけるようになりました。こういう方々がなにを根拠にそのような話をされているのかまったくわからなかったので、少し数字で調べてみました。本当に野球をやる子供が減っているのはサッカーのせいなのか?

長嶋さん「日本の野球が弱くなる可能性」を危惧…故郷・佐倉市での野球教室は盛況 (デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース

長嶋氏は「(少年少女が)ややもするとサッカーの方向へいく。それじゃ、日本の野球は弱くなる可能性がある。子供でも男でも女でももっともっと野球を好きになってほしい。高校野球、中学校、ここにいる小学校5、6年生たちに、僕らの指導で『野球はいいもんだ』と思ってもらい、野球そのものを盛り上げたい」などと訴えた。

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逆風の少年野球、競技人口減でも見えた希望 | 日本野球の今そこにある危機 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

サッカーに競技人口を取られている野球

まずは、地上波のテレビ放送での野球中継がほぼなくなり、子どもが日常的に野球の試合を目にする機会がなくなったことだ。昭和の昔は、「家に帰って父親とナイターを見ながら夕食」が一般的な家族だんらんの風景だったが、それはほぼ絶滅した。野球そのものに触れたり、目にしたりする機会が減ったのだ。

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そこで、今回は中学生年代の数字を拾ってみました。中学校の生徒数の増減と、部活動に参加している生徒数の増減を比較してみたところ、野球の場合は他の競技に取られているとかそういうレベルではなく「完全に一人負け」の状態になっているようです。これだけの人数が他のスポーツに移ったとは考えにくいほど野球だけが減っていますね。

 

中学校の学年別生徒数

2010 3,558,116(100%)
2011 3,573,821(100.4%)
2012 3,552,663(99.8%)
2013 3,536,182(99.4%)
2014 3,504,334(98.5%)
2015 3,465,215(97.4%)
2016 3,406,029(95.7%)

軟式野球

2010 291,015(100%)
2011 280,917(96.5%)
2012 261,527(89.9%)
2013 242,290(83.3%)
2014 221,178(76.0%)
2015 202,470(69.6%)
2016 185,314(63.7%)

サッカー

2010 221,407(100%)
2011 237,783(107.4%)
2012 248,980(112.5%)
2013 253,517(114.5%)
2014 246,069(111.1%)
2015 238,007(107.5%)
2016 227,735(102.9%)

バスケットボール

2010 174,443(100%)
2011 178,468(102.3%)
2012 177,201(101.6%)
2013 174,321(99.9%)
2014 177,036(101.5%)
2015 178,691(102.4%)
2016 175,987(100.9%)

バレーボール

2010 50,621(100%)
2011 50,299(99.4%)
2012 50,639(100.1%)
2013 50,852(100.5%)
2014 50,437(99.6%)
2015 53,639(106.0%)
2016 56,782(112.2%)

 

まず中学校の生徒数ですが、2010年度を100%とした場合、2016年では5%ほど減っているようです。これは少子高齢化の影響が大きいと感じますし、そういう時代なのだと思います。よって、前年並の努力で生徒数を維持することは難しく、より努力が必要になるかと思います。

で、例えばサッカーやバスケットは、そのスポーツの努力によって一時は生徒数の増減比率よりも多くの生徒を集めていたようですが、やはり生徒数自体が減っていることもあり近年はそのぶんだけ減っているんですよね。特にサッカーはワールドカップの成績がこういうところにも影響しているような気がします。

ちなみにバレーボールなんですが、実は結構生徒数が増えているんですよね。これは漫画の影響?なのかもしれませんが、そういう要因はありそうです。正直中学生がバレーのトップリーグを見て「俺もやりたい!」と思うほどの魅力があるかというと少し微妙ですし、それよりかは漫画の影響のほうがずっと大きいかと。

そして野球。2010年度と比べると6年間で10万人以上が野球から離れているようです。これはちょっと尋常な数字ではないですね。じゃあそれだけサッカーやバスケに人が流れているかと言うとそんなことはなく、ただただ野球から離れていってるだけというか。この10万人はどこいったんだ…さらにこのままでは2017年度はサッカーどうのこうのではなくもはやバスケットボールにも生徒数で抜かれる確率がかなり高く、さらに卓球やソフトテニス、陸上競技などにも抜かれる可能性があります。

2016年度部活動別生徒数

1位 227735 サッカー
2位 185314 軟式野球
3位 175987 バスケット
4位 171397 ソフトテニス
5位 148160 卓球
6位 126111 陸上競技

他のスポーツに流れているというほど他のスポーツの生徒数が増えていないため、純粋に今まで野球をやっていたような人たちがスポーツをやらなくなったという可能性はあります。また、サッカーや野球の場合は部活動ではなくクラブチームで活動しているためこの数字に反映されないということもあります。そういったことを踏まえても野球の人口減少はちょっと危機的ですね。

こういったところの解決策というのはいくつか思い当たるわけですが、少なくとも野球メディアや野球関係者、野球ファンなどが訴えている「サッカーに取られている」という説はあまり的を得ていないのではないでしょうか。他所のせいにしているうちはいつまで経っても野球人口は減り続けるかもしれません。

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